「みんなの総意としての祝祭とは」レポート#2:「顔ハメ」から、まちが見えてくる

日時:2020.11.10


「顔ハメ」から、まちが見えてくる

謎だらけの企画を解明

「移動祝祭商店街 まぼろし編」、チーム佐々木企画の「みんなの総意としての祝祭とは」がいよいよ始まりました!
さて、まずはこの企画の概要はこちらです。

みなさま、こちら、わかりますでしょうか?

インフォメーションにはさまざまな情報が公開されているものの、ちょっと謎が多めですよね。とはいえご本人は頑張って考えておられるようです。
いったいこの企画がどんなものなのか探るべく、10月31日に体験まち歩きツアーが開催されました。南大塚商店街のまち歩きに仕掛けられたもの、それは、ずばり「顔ハメパネル」。この企画の顔ハメパネルが一味違うのは、パネルにQRコードがプリントされていることでしょう。観光地のノリで友達同士で写真を撮りあったりしようとすると、パネルに描かれたQRコードをスマホのカメラが勝手に読み取ります。読み取られたURLは動画へのリンクになっており、この企画はそのつもりがない人に映像作品を視聴させようとしているようです。

はい、このご時世にこの仕掛けはちょっと怖いですね(笑)。

さて、まずは大塚駅前に設置された第一のパネルの前で本日のツアーの説明。参加者のなかは昨年の移動祝祭商店街にも参加いただいた方もおり、これから何が始まるのかとワクワクした様子が伝わってきます。

…と、こちらはまさかの「いいね!」マークですね。大塚駅南口の広場「トランパル大塚」に、顔をはめられる巨大な「いいね!」マークが出現しています。

  • QRコードを読み取ると動画が視聴できる

次に訪れたのは商店街の中の白菜…何が観れるのでしょうか…。これは訪れた人だけの特権ですね。参加者のみなさんからも、自然と笑顔が溢れています。この様子を見るだけでも中身が気になります。

その次は一転、予想に反する小さなQRコード設置場所もあり、みなさん、あっちでもない、こっちでもないと右往左往。ただ、パネルは全く手探りで探すわけではなく、一枚のパネルを見つけると裏に地図が書いてあり、それぞれの場所とだいたいの形も書いてあり、その手がかりをもとにパネルを探してゆきます。

まち歩きの新たな仕掛け

実際に南大塚商店街の中を歩いてみるとそれほど広い範囲ではなく、次の顔ハメパネルはどこだ、と探し回っていると友達と楽しみながらゆっくりまわっても小一時間で十分回れます。

そう、これこそがこの企画の大きなテーマ。「大塚」についてはみなさん知っているようで、普段はあまり訪れることのない街ではないでしょうか? そんな大塚の街を知ってもらうためにどうすれば良いのか? どうすれば楽しんで大塚を回ることができるのか。そんなテーマに今回の仕掛けをちりばめたのが佐々木さんの「祝祭」です。

参加者みなさんの感想の中には「こんなに面白いまち歩きはしたことがない!」という、うれしいコメントも。町歩きの後半は佐々木さんも合流してアーティストトーク的な展開となり、佐々木さんの考えていることも交え、場所場所のパネルを楽しんでいました。

それに、ひとくちに「顔ハメパネル」と言ってもただの顔ハメパネルじゃあないんです。次は何やらQRコードが書いてあるいかにも意味ありげなタンスを発見!引き出しを引くと、なんとそこにも顔ハメパネルが。こういった仕掛けからは佐々木さんのベースが「舞台美術」にあることが感じられ、一瞬参加者が舞台の中に溶け込んだように見えた瞬間も生まれました。

まさに「セノ派」の言葉通り、大塚に新しい風景を作り出したまち歩きに。この日は映像公開前だったため顔ハメパネルを巡るだけにとどまりましたが、現在は顔ハメパネルのQRコードから映像にもアクセスできるようになっています。現地を訪れた際は、まち歩きだけでなくぜひ映像もお楽しみください!

参加者みんなでハイっチーズ!

テキスト・写真:泉山朗土